同級生


著 東野圭吾  講談社

「やっちゃったかコイツ(主人公)……」これが第一章を読み終えた直後の自分の心境です。
 思春期の激情による、たった一度の関係で同級生を妊娠させてしまい、しかもその相手が産婦人科に行った帰り道で事故に遭い、亡くなってしまいました。
 この位の若者に暴走は付き物、という言葉をどこかで聞いたことがあります。後になって振り返ると、罪悪感や後悔の念といったものに駆られる事。自分にも主人公ほどではないですが、似たような経験が少々ありますので、序盤の彼の潔い言動や、贖罪のための真摯な言動を見ると、共感、というほどの物ではない、ある種の同情の様なものを覚えました。
 さて、どうやらたんなる事故ではないようで、高校の生徒指導の教師らが絡んできます。また、教師・生徒・同級生の中で複雑な愛憎関係が交錯し、事件も複雑になってきます。 読んでいて、自分にはまるで縁がなかったけど、学園物とはこういうものか、という気分になりました。
 主人公も頑張って事件の核心に迫ろうとするけれど、解決するのは普通に刑事。あれ、主人公は? と思っていたら、事件を通して自分と向き合ってました。まあ、一介の学生に事件の捜査なんてあまりできないでしょうね、某高校生名探偵とか某「体は子供、頭脳は大人」の小学生じゃあるまいし。
 結末は予想外でした。まさかそんな所に伏線が、というありきたりな感想ですがそんな気持ちになりました。実際に、学校で似た事件が起こったらどうなるのだろう、とも思いました。やっぱり、噂が流れるだけ流れて、一年もすれば関わりの深い人達意外は忘れていくのでしょうか?
 最後になりますが、ラストの決め台詞は「上手いこと言ったな」と、感動しました。


紹介者:U田城


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