放課後

著東野圭吾  講談社

まず読み始めて思ったのは、この人(主人公)一体何者だよ、ということでした。何せ、開始五行でいきなり命の危機にさらされていましたから。

主人公の前島先生は、第一の殺人が起こる前から三度も命を狙われています。頭上から植木鉢が降って来るし、他二回も結構えげつない目に会っていて、それだけでもうお腹一杯です、勘弁してあげてくださいといった気分になりました。

第二の殺人が起こった時には、仮装するはずの主人公ではなく、入れ替わって生徒達を驚かそうと提案し、それで入れ替わった同僚の教師が殺されてしまいます。

けれど、主人公には命を狙われるような理由が無く、動機が分からないから犯人も絞り込めない。犯人候補は続々登場する――そんな状況での犯人探しと密室の謎解きは中々楽しく読むことができました。

その密室のトリックも、最初に考え付いたものでいいんじゃないかと思ったので、全く関係ないと分かった瞬間、頭の切り替えの為に読むのを止めてしまいました。

また、物語途中で主人公を襲撃する謎の赤い車、これに関しては殺人事件の犯人が分かってからも謎のままだったのですが、投げっぱなしにはせず、ちゃんと伏線が回収されたことには安心しました(出版する以上、普通はする物でしょうけど)。

動機に関しては少々納得いかない、というか自分には理解できないし、理解のしようがない感じの部分がありましたが、そのおかげで最後まで犯人が分からず、そういった意味ではこれも有りだと思いました。

何はともあれ、久しぶりの推理小説として、とても楽しく読ませていただきました。


紹介者:U田城


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