9S〈ナインエス〉
著:葉山透 メディアファクトリー 電撃文庫
銃で武装している集団に、一般人が立ち向かうのは普通無理です。さらに、武装集団はマッドサイエンティストの発明品、例えば、斬ったものを液状化させてしてしまう剣だとか、姿を消すことができる光学迷彩だとかを使用しているわけです。一般人の出る幕はないようです。というわけで上記のアルバイトの少年と穴倉娘が一般人であるはずがないわけです。まあ、あらすじを読んだ時点で、穴倉娘こと峰島由宇が一般人ではないことはすぐにわかることなんでしょうが。個人的には、アルバイトの少年こと坂上闘真には一般人であって欲しかったです。
さて、この世界には、『レガシーカウンター』という部隊があります。マッドサイエンティストこと峰島勇次郎のオーバーテクノロジー、『遺産』に関わる犯罪対策部隊のことです。由宇と闘真は当初、このLC部隊と行動していました。
このLC部隊、すばらしい活躍をしてくれました。ことあるごとに勇次郎の『遺産』のすごさを証明してくれたんです。それはもう身を挺して。あるときは攻撃が効かないことに狼狽したり、あるときは液状化させられたり、そしてあるときは姿の見えない敵に喉を引き裂かれたり。主人公達ができないことをしてくれました。なかなかできることではあいません。このように私は考えようと思います。そのように考えないとなんとなく悲しくなってしまいます。この人達は、引き立て役だったんでしょうか。
話変わって、坂上闘真には真目麻耶という妹がいます。真目家は峰島と『遺産』のことを敵視しつつ、異常ともいえる情報収集能力で世界をリードしています。麻耶はそんな真目家のナンバー2だったりします。さらに兄である闘真に好意を寄せていたりします。だから、闘真と由宇が行動を共にすることを快く思っていません。麻耶と由宇の二人の戦いを描いた短編が、9S〈ないんえす?〉SSに収録されています。この短編は長編のシリアス路線ではなく、コメディ路線となっています。長編のシリアス度合いが強ければ強いほど、ギャグの落差が激しくて面白いのはお約束、だそうです。
2006年12月1日現在、9S〈ナインエス〉長編シリーズがT〜Z巻、短編集の9S〈ないんえす?〉SSの計八冊が出版されています。ちなみに、上記の二人の戦いを描いた短編は、長編W巻の最中のエピソードとして書かれています。
はたしてこれは書評といえるのだろうかと疑問を抱きつつ、[巻が読みたいなと思う今日このごろ。
少しでも興味があり、時間に余裕のある方は一度読んでみてはいかがだろうか。
紹介者:オツダチン