『彼と彼女の糖分過多なバレンタインデー』

 

 今年もまた2月14日がやってきた。
僕と唯湖さんが恋人になってから二回目のバレンタインデー。


 交互に朝起こしに行って二人で、たまに他のメンバーも交えながら朝食を食べるそんな毎日。
学校へ向かう途中唯湖さんが尋ねてきた。
「理樹君、明日は何の日か分かっているな?」
「勿論だよ。バレンタインデーだよね?」
「今年も期待しててくれ。去年以上にドキドキさせてあげるからな?」
「っ!?」
耳元で甘く囁く唯湖さんに僕の心臓が跳ね上がる。
「まぁエッチな妄想をして、せいぜし期待に胸を膨らませておくが良い。
だが、股間を膨らませるのは私の前だけだぞ?」
「もう、またそういう言い方して」
「それが私だからな」
はっはっはと笑う唯湖さん。
口では文句を言うものの、どんな事してくれるんだろうなと期待してしまう僕が居るわけで。
手の平で踊らされてるようでそれがちょっと悔しい。
 


教室に着くと、葉留佳さんと佳奈多さんが来ていた。
「おはよーっす姉御に理樹君」
「うむ、おはよう。今日も無駄にウザいな葉留佳君」
「姉御朝から冷た〜っ!」
「すみません、葉留佳が毎度毎度ウザくて」
「まぁいつもの事だからな、慣れたよ」
「うわーん二人がいじめるよぅ〜」
唯湖さんと佳奈多さんの絶妙な毒舌コンビネーションに葉留佳さん涙目。
「まぁ、気を取り直して。理樹君にチョコレートを進呈ずびしっ!」
「まぁ何かと世話になってるからあげるわ、味は保証しないけどね?」
葉留佳さんからは笑顔で、佳奈多さんからはそっけなくチョコレートを渡された。
「ほう、手作りか?」
「そーなのですヨ姉御。私とお姉ちゃんの共同作業なのデス」
えへんと胸を張る葉留佳さん。
「作ったのほとんど私なんだけどね? 葉留佳は何かと失敗ばっかりしてくれたし?」
「お姉ちゃんヒドス。はるちんははるちんなりに美味しく作ろうと思っただけなのにぃ」
「基礎をすっとばして、いきなり応用に走って奇抜な事するからでしょうが?
どうしてチョコレートにタバスコなんか入れようとするのよ?」
「いや〜、こう刺激が有った方が面白いかな〜と」
「そんな刺激要らないわよっ!」
しまいには僕と唯湖さんの目の前で喧嘩を始めてしまった。
「二人とも朝から喧嘩はやめたまえ、やめなかったら二人ともクラスの男子の目の前で公開乳揉みの刑だ」
「「ごめんなさい」」
唯湖さんに怒られて小さくなる二人。
「とにかく、ありがとう葉留佳さん、佳奈多さん」
「気にしなくて良いわ。そろそろ始業のベルも鳴るから行くわね」
「あぁん、お姉ちゃん置いてかないでぇ〜」
すたすた歩いて行く佳奈多さんに、葉留佳さんが子犬のよう着いて行く。
「ふふっ、もうすっかり仲良し姉妹だな。微笑ましい事だ」
「うん、そうだね」
そんな二人を僕と唯湖さんは互いに笑いながら見送った。



「は〜い今年もどうぞ〜」
「義理ですがどうぞ」
「今年も小毬ちゃんと作った、ありがたく喰え」
「リキ、チョコレートをぷれぜんとふぉ〜ゆ〜なのです」
「あの、これどうぞ」
「ありがとう」
その後の休み時間に小毬さん、西園さん、鈴、クド、そして杉並さんからもチョコレートをもらった。
「もてもてだな、恋人として鼻が高いよ」
「もう、からかわないでってば。義理なんだしさ」
「それも君の人徳さ」
「そうなのかなぁ?」
「あ、そうだ理樹君。少し待っていてくれ」
「うん、分かった」
そう言いながら唯湖さんは、真人と謙吾の元へ歩く。
「ほれ、今年も君達に義理チョコをくれてやろう」
「おう、ありがとよ」
「ありがたく頂こう。そこまでしてくれなくても良かったのだがな?」
素直に例を言う真人と謙吾。
「何、私にとっても君達は友人だからな。しかし、今年は随分と素直だな? 
ボケたら即座にお仕置きしてやろうと、お仕置き道具も用意してたのに」
「しねぇっつーの、あんな思いは去年で沢山だ」
「俺達は恭介ほどチャレンジャーでは無い」
「そうか、ちとつまらんがそれも良いだろう」
恭介へのチョコレートは、昨日のうちにリトルバスターズ女子メンバー全員分を郵送済みだったりする。
今年はなんのトラブル無くチョコの受け渡しが終わり、僕はほっとしていたんだけど、
バレンタインデーが日曜だった為、恭介は学園までやって来て、
「今年も鈴からチョコをもらえて、俺は今モーレツに感動しているぅぅぅぅぅぅっ!」
「みぎゃああああああああああっ! こんな兄貴もういやじゃ〜」
と鈴に抱きついて、しかも頬擦りまでする始末。
「ぎゃああああああ、目覚めるっ! Mに目覚めちゃうぅぅぅぅぅぅ!」
「やかましいっ! 豚のような悲鳴を上げろぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
「ぶひぃぃぃっ!」
激昂した鈴にげしげしとストンピングされると言うオチを見事に付けてくれた。
「なぁ理樹君。恭介氏は、何かオチを付けなきゃならん呪いにでもかかってるのか?」
「お祓いしてあげた方が良いかもね」
二人で顔を見合わせて心底呆れる僕達であった。



それから時間が経ってお昼休みには
「あら、直枝さん。義理ですけど差し上げますわ」
「あ、ありがとう笹瀬川さん」
と、笹瀬川さんにもチョコをもらった。
「それでは私はこれで、あぁん、宮沢様ぁ〜お待ちになってぇ〜」
「良い加減懲りてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「貴方が振り向いて下さるまで私あきらめませんわぁ〜」
もはやイベントが有る度に恒例になりつつ有る謙吾と笹瀬川さんの鬼ごっこ。
何がきっかけになったのかは分からないけど、最近の笹瀬川さんはもの凄くアグレッシブである。
「前は声をかけるだけでももじもじしていたのに。佐々美君も強くなったなぁ」
「そうだねぇ」
「暢気に会話してないで助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「「はっきりさせない謙吾(少年)が悪い」」
「薄情者っ〜〜〜〜〜〜〜〜!」
謙吾頑張れ、超頑張れ。



その後は特に大きな出来事も無く緩やかに放課後を迎え、今僕は唯湖さんの部屋の前に居る。
「唯湖さん、お待たせ」
「あぁいらっしゃい。入ってきて良いぞ」
「お邪魔しまっふぇっ!?」
「なんだ奇声なんぞあげおって」
「驚くなって方が無理無理」
上半身はブラジャー、下半身はスカートだけという格好なのだから。
部屋を見回すと、床にはビニールマットが敷かれ、
その脇に置いて有るボウルにはたっぷりとチョコレートが入っている。
「実にベタではあるが、今年は私の体にチョコを塗りつけて味わってもらおうと思う」
「あ、やっぱりそういう趣向なんだ」
「最初は全身にチョコを塗ってそのまま舐めさせようと思ったが、君の好きにさせてあげた方が喜ぶかと思ってな」
「あ、あははははは」
「さぁ、足でもお尻でもおっぱいでも君の好きな所にチョコを塗りつけて思う存分舐めまわすが良い。
君がどんなにマニアックな嗜好の持ち主だったとしても受け止めて上げるからな」
「色々引っかかるけど、そう言う事なら遠慮無く」
「うん、素直でよろしい」
頷いた唯湖さんをマットに寝かせ、それから指で唇に丁寧にチョコを塗りつける。
「じゃあ、まずは」
「んむっ、んぅっ」
チョコレートでコーティングされた唯湖さんの唇に口付け、舌を左右に動かして舐め取る。
「甘いね」
「チョコレートだからな」
「チョコ以上に唯湖さんの唇が甘いんだよ?」
「そんな気障な台詞どこで覚えた? あまり似合って無いぞ」
「そっか、残念」
「そんな風に言葉で飾らなくても君の想いは唇から伝わってるよ」
「そっか。それじゃあ、唯湖さんちょっと舌を出して」
「こうか? んっ!?」
「ちょっとじっとしててね?」
唯湖さんに舌を出してもらい、そこに指でチョコを塗りつけた後、その舌を思いきり吸う。
「んぅ!? ん゛ーっ! んんっ、ぴちゃ、くちゅ、れろ」  
驚く唯湖さんに構わず、舌を絡め擦り付けつつチョコを舐め取る。
「んふっ、ふぅ、はぁ、うぅん」
唯湖さんはじたばたと暴れるが、それを抱き締めて押え付け、更に強く舌を絡める。
「じゅるっ、んっ、ぷはっ」
唯湖さんの口内を舌で蹂躙し、唾液をすすりつつ唇を離す。
「キスだけで意識が飛びかけたぞ、こっちの方はすっかり巧くなっちゃってからに」
顔を上気させ、目に涙を浮かべながら睨む。
「唯湖さんの唇って中毒性強いからさ、つい夢中になっちゃうんだ」
「そんなの言い訳になるか」
「どうしたら許してくれる?」
「優しくキスしたら許してやる」
「おやすい御用だね」



「さぁ次はどこを攻めたい?」
「うーん、そうだなぁ」
仲直りのキスの後、そう問われた僕の頭の中で、ふとかつて読んだ漫画のワンシーンが浮かんだ。
「じゃあ、ここ」
右の膝小僧にチョコを薄く塗り、唇を押し付けて軽く吸った。
「んっ、膝小僧とはやるな。てっきりおっぱい狙ってくると思ったんだが」
「お楽しみは後に取っておこうと思って」
「んっ、ちょっとくすぐったいがこれも悪くないな」
「まだまだこんなもんじゃないよ?」
「ひあっ、んっ、あっ」
そのまま太ももの内側に点々とチョコを落とし、足の付け根までに啄ばむようにキスを落とし、
脛から足首にかけては一本のラインを引き、そのまま上から下に舌を横にスライドさせる。
「ここなんてどう?」
「あくっ、それヤバイ」
足の甲にキスをした時、唯湖さんがびくりと体を震わせて悶えた。
「これ本当にヤバイな。癖になるかも」
「唯湖さんが望むなら、またしてあげても良いよ?」
エッチしてる時に無意識に舐めたりしてる時は何度か有った。
だけど、今回は最初から足を舐めるという背徳的な行為が、僕に妙な高揚感をもたらし、
唯湖さんの足にキスをしながらそんな事を言ってしまっていた。
「なるほど、理樹君は跪いて私の足をぺろぺろしたいと言う事ですね? 分かります」
「そんな言い方したかなぁ?」 
「良いな、実に良いな♪ これからが楽しみだ。むっふっふ」
凄く嬉しそうだ。どうやら唯湖さんのSっ気に火を着けてしまったらしい。
「……続きやるからね?」
「はいはい」
どうせ止められないと、僕は観念して続きをする事にした。



「じゃあ今度はうつ伏せに寝てくれる?」
「分かった」
唯湖さんのブラを外し、マットにうつ伏せにする。
「じゃあ今度はここね?」
「ひぁっ、それも良いな」
それから唯湖さんに覆いかぶさるような状態で抱き付き、
背中の中央に指で一本すうっとラインを引いてそれを下から上へ舌でなぞる。
「ふふっ、ちょっとくすぐったいな」
その後は背中のあちこちにチョコを塗りつけ、それをちょっと強めに吸う。
それを何度も繰り返し、次に僕が狙ったのは、
「こういうのはどう?」
唯湖さんを再び転がし、その綺麗な腋にチョコを塗りそのまま舐めてみた。
「ふああっ!?」
かなり過敏に反応して悶え、嬌声を上げる唯湖さん。
それが起爆剤となって、僕はつい夢中になって腋にキスをしていた。
「ま、まさか君に腋フェチの気が有ったとはな? んっ、あぁん」
「あっ、そんな事言うなら、腋フェチらしいやり方で愛してあげるよっ!」
「ちょっ、私が悪かった。だからそんなに舐めないでっ、ひぃあああああああっ」
その一言で完全に吹っ切れた僕は、唯湖さんの両方の腋にチョコを塗り、交互に
キスして、吸って、舐め回し、唯湖さんを悶絶させてあげた。
その後も唯湖さんの腕や肘、手の甲にキスしたり舐めたり、最後に唯湖さんの細くて綺麗な指を
ボウルに突っ込み、チョコ塗れになった指を丁寧に舐った。
「はぁっ、はぁっ、ふぅっ、理樹君、これ以上焦らされたら……」
僕の一連の行動ですっかり出来上がってしまった唯湖さんが僕に甘えて来る。
かく言う僕も理性もいっぱいいっぱいな訳で。
「僕ももう限界だからさ?」
「確認なんか要らないから、思うがままに一杯愛して」
僕は黙って頷いて、唯湖さんにキスをしながら抱き寄せる。
両手をチョコに浸してチョコ塗れにした手で、唯湖さんのおっぱいやお尻を
触りまくった後にそれを舐めたり、おへその辺りを舌でくすぐったり、
唯湖さんと繋がりながらチョコレート味のキスを繰り返し、彼女の嬌声をBGMに
ひたすら甘い時間を過ごした。 
その後も体が汚れたからと、二人で一緒にお風呂に入ってそこでもまた盛り上がってしまい……
「チョコ付けながら二回、綺麗にするはずのお風呂で三回。一晩で計五回。流石理樹君だな」
頬をうりうりと指で突付かれるが返す言葉も無い。
「でも、楽しんでもらえて何よりだ」
「今年もご馳走様。ここまでしてもらえるなんて彼氏冥利に尽きるよ」
「私は君が喜んでくれれば嬉しいし、何より私自身も楽しんでるから良いのだよ」
「ホワイトデーのお返し期待しててね。それじゃおやすみ、唯湖さん」
「あぁ、楽しみにしておくよ、おやすみ」
僕達はそのまま抱き合って眠りについた。



それから翌朝。
「チョコが余ってしまったな」
唯湖さんがボウルを見ながらそう呟く。
「僕はもう十分もらったし、唯湖さんが食べれば良いよ」
「良いのか?」
「そりゃ唯湖さんが作ったんだし」
「本当に良いんだな? 後悔しないな?」
唯湖さんの目がキラリと光る。
あれ? 僕なんか地雷踏んだ?
「言質は取ったからな、今更キャンセルは認めない」
「ちょっ、何するつもり?」
唯湖さんが僕を押し倒し、髪を縛ってるリボンで僕の手首を拘束する。
「なぁに、理樹君のチョコバットとチョコボールを美味しくいただくだけだよ」
「ちょっ、待って!? 無理無理、もう限界」
「理樹君なら後三回はイケる」
「ちょっ、パンツ脱がさないで、うわぁそんなとこにチョコ塗っちゃ駄目だってばぁ」
「とか言いつつも大きくなってるじゃないか。と言う事で、いただきます。あ〜ん」
「はうあっ」
そして、結局
「あぁん。もう無理とか言いながら、こんなに元気じゃないかぁ」
「うあぁぁっ、そんなに激しく腰動かさないでぇっ!」
抵抗空しくきっちり三回絞られました。
「はぁ、ご馳走様理樹君。美味しかったよ」
「お、お粗末さまでした」
つやつやお肌で上機嫌な唯湖さんは、疲労困憊な僕の頬にキスをした。



そして翌日、教室で
「理樹君に姉御おはよーっ。ありゃ?」
「どうかしたのかね? 葉留佳君」
「くんくん、なんか二人とも凄く甘い匂いがしますネ?」
「はいです。リキも来ヶ谷さんもチョコレートの匂いが凄いのです〜」
「そうだね〜。理樹君もゆいちゃんもすっごい甘い匂いがするよ〜?」
「臭っ、おまえらチョコ臭っ」
「どのような食べ方をされたのか非常に興味深いですね?」
臭いで勘付かれて女性陣に詰め寄られる僕と唯湖さん。
「あ、いやまぁ、その〜」
なんとかごまかそうとしたんだけど。
「ただ、二人で蕩けるような甘い時間を過ごしただけさ。な? 理樹君」
「ちょっ!? 唯湖さん」
「「「「「「その話kwsk」」」」」
「うむ、耳をかっぽじって良く聞くが良い」
唯湖さんは僕を後ろから抱き締めながら皆に自慢し、
それを聞いて女子はきゃーきゃー騒ぎ、男子からは『リア充爆発しろ』な目でみられ、
その日は一日中小さくなっていた僕でした。



これにて一巻の終わりでござる




あとがき

遅れまくりで皆様には「猛虎落地勢!」なるじゅなーでございまする。
あいもかわらず己の煩悩駄々漏れなSSですが、楽しんでいただければ
嬉しく思います。
今回も主催者のろっど様には多大なる感謝を。
今後も思い付けば書いて行こうと思うので今後ともよろしくお願いいたします。
それでは今回はこの辺で。







































お囃子・感想などいただけましたら。

おなまえ(省略可)



お囃子!(→盛大)

ぱち ぱちぱち ぱちぱちぱち

よろしければ何か一言!(省略可)





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