Side [D]
私の隣を歩く彼。
今は三回目のデートの真っ最中なの。今日の予定は映画とウィンドウショッピング。
本当は、彼の誕生日が近いからこっそりとプレゼントを選んでたりして。
彼と楽しくおしゃべりしながらも、気になるのは自分の右手。
私の右手は寂しそうに宙ぶらりん。左足の動きに合わせて少し揺れるだけ。
今日こそは彼と手を繋ぎたい。彼はどんな風に私の手を握ってくれるのかな? 力強く? 優しく?
そんなことを考えると胸がドキドキする。今の私はどんな変な顔をしてるんだろう。これじゃ彼の顔を見ることが出来ないじゃないっ。
……自分の表情にも気を付けないといけないとは。
でも、どうやったらいいかな? うーん……、もうっ、あなたは男の子なんだから気付いてよねっ。こんなこと、女の子からは言い出しにくいんだからっ。
……はぁ、これじゃ駄目。こんなんじゃいつまで経っても手なんて繋げないよ。
今日は諦めよう。チャンスはまだまだあるんだしっ。……確か、前のデートの時も同じことをしたような気がするけど、そんなことは気にしない。今は手を繋ぐことより、彼への誕生日プレゼントを考える方が建設的よ。
私はウィンドウショッピングをしながら、どんなものが良いか考える。彼の好みをさりげなく聞くことも忘れない。
もうすぐ私の家に着く。今日のデートはそこでお終い……。彼へのプレゼントは何となくではあるが目星がついたし。あとは一人で買いに行けばいい。そんなことを考えている時のこと。
突然、私の右手に彼の左手の体温が伝わってくる。
私はとてもとてもびっくりしちゃって、彼が繋いでくれた手が力強かったとか優しかったとか、そんなことを考えられなくなっちゃった。